当社に相談があった先生の概要
クリニック概要 | 日帰り(白内障)実施の眼科クリニックを開業希望 |
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希望立地 | 地方都市 |
年齢 | 50歳 |
自己資金 | 1,000万円 |
家族構成 | 配偶者,ご子息2名 |
開業希望時期 | 2年後 |
当初より、ご自身のご年齢(50歳)を考慮し2年以内に開業したい意向でした。当時の勤務先では、60歳定年後の診療継続が困難でしたが、元気な間は家族の為にも患者様のためにも診療を継続していきたい事が開業を検討されたきっかけです。
白内障の日帰り手術もしっかり対応でき、地域需要から想定される外来患者数にあわせた大きさのクリニックが建築できる、土地探しから開始しました。
都市部のテナント開業では40坪~60坪程度で開業される方が多いですが、郊外にでますと、80~120坪程度の延床面積で開業される方も多く、駐車場も必須となりますので300坪前後の土地が候補となってきます。
立地の選定条件としては、勤務していた病院への配慮から一定距離離れた場所であり、かつ、手術の紹介元施設からは開業後も引き続き紹介もらえる範囲、そして、周辺の地域住民から認知されやすく、オペのため遠方から来院される患者さんにも分かりやすいバランスのとれた場所探しが、今回の立地選定のキモでした。
忘れがちなのが、スタッフの駐車場。クリニック周辺で空いている土地があれば駐車場として借りたいですが、なかなか都合よく空いていないケースにも直面します。クリニック土地の地主さんが周辺の土地も持っている大地主さんの場合、遊休地を駐車場に転用してもらえたケースもありますので、現在、駐車場である場所だけでなく幅広く探していくことも大事です。
地方型モデルケース
開業予算
※土地⇒借地、建物⇒所有(建築)、土地280坪/建物100坪、白内障・硝子体手術実施施設 | |||
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費用 | 調達 | ||
土地(借地) | 400 万円 | 融資 | 16,000 万円 |
建物 | 10,000 万円 | リース | 4,000 万円 |
医療機器 | 6,300 万円 | ||
什器・備品 | 700 万円 | ||
開業準備金 | 600 万円 | 自己資金 | 1,000 万円 |
運転資金 | 3,000 万円 | ||
総事業費 | 21,000 万円 | 調達合計 | 21,000 万円 |
立地選定や患者の引き抜き、スタッフの引き抜きをしないといった、あらゆる面で勤務していた病院へ配慮したことから、協力は得られないものの大きな問題になることなくスタートすることが出来ました。
白内障手術の件数は開業後1年経過し月30件となり、順調なスタートが切れました。週に半日、手術日を設定していましたが、2年目から週に2回、半日を手術日に設定し、手術枠を増やして診療にあたっています。
手術室を抱えるクリニックの宿命として、建物が大規模となります。反面、手術室の稼働は週に0.5日程度となる点があります。0.5日の約4時間で、より効率的に手術件数をこなせるよう設計面でも工夫が必要となります。手術前の患者さん、患者さんのご家族の待機場所、リカバリールームの広さなど、手術室の周辺設備についても綿密なシュミレーションの上で広さを決めていきます。
ソフト面ではオペ看護師をリクルートすることが最優先です。ご存じの通り、オペ看護師の技量で手術時間の短縮につながります。引き抜きでの勤務先病院とのトラブルを回避しながらスタッフの確保を進めましょう!
他、手術室の稼働率を上げる工夫として、斜視や形成などのオペを実施出来る先生にバイトで来てもらい、白内障手術日以外の日にオペ室を稼働してもらうなどもひとつの方法です。
診察室も1診のみにするか、いずれ2診体制にするかなど、現時点での診療体制と将来の診療体制を想定して設計していく必要があります。
患者さんが当初の想定より来すぎて、手狭になってしまったけど、スペースの問題で広く出来ない。開業計画段階、設計段階で想定しておけばよかったという声をこれまでに聞いてきたからこそ、そういった事態を事前に回避するお手伝いをしています。
診療方針や、やりたい医療とは何か、クリニック将来像について、開業される先生と思いを共有し、共感して開業支援にあたる我々だからこそ出来る、設計面へのアドバイスがあります。
総事業費との兼ね合いで、患者見込み、手術見込み、立地、地域性など多角的な視点から、事業規模を小さくすることが全てでないという考えでお手伝いしています。
最後に
ご開業をお考えになり、
・何からスタートすればよいか分からない
・どこに相談して、どのように進めればよいか分からない
・相談はしているけど思うように進まない
・関係している業者に思いが伝わりきっていないのではないか
・そもそも開業を進めるのがよいのか
(客観的な判断をお伝えすることで、勤務医を続けられる先生もおります。開業がどの先生にとっても最良であるという考えではありません。)
など、些細なことからでもかまいませんので、我々に声をかけてみてください。