本ページでは、都市部近郊におけるオペ有眼科クリニックの診療圏調査の見方を説明させていただきます
※オペ＝眼科領域で件数の多い、白内障手術を今回想定して記載しております。

診療圏調査は、他科目の診療圏調査と同様に下記の内容を実施します。

上記診療圏調査の方法は一般的ですが、当社は更に深く調査していきます。

まず、距離の設定ですが、オペ有眼科になりますと、通常の眼科クリニックと比較して施設数も少ないため、
都市部では半径1.0km‐2.0km、
郊外型であれば、車で５分（３km）１０分（６km）
で設定します。
※こちらの距離は、過去より当社が開業支援したお客様の来院エリア分析（プロット分析）を実施し、平均化した際に一番多い距離設定となります。

次に現在の居住人口も重要ですが、今後人口動態がどうなるのか検証します。
白内障は症状の強弱はあれど、高齢になれば高い確率で発症する病気となっており、現在の年齢別居住者層も重要ですが、今後人口動態がどうなっていくのかも非常に重要です。
この開業地で１５年・２０年・２５年・３０年と何年やっていくのか考え、その時期にターゲットとなる60歳以上の人口がどうなっているのか予測検証する必要があります。
※国内の白内障手術件数の内、60歳以上が90％以上となっています。

次に競合施設の把握です。
まず、大前提として設定した診療圏内に眼科を標榜する施設数を確認し、その中でもオペを実施している施設数を確認します。

次に、オペ実施施設のオペ件数やオペ日の確認を実施します。
オペ実施曜日・オペ待機期間（１カ月が通常目安）
白内障の手術件数は人口比率で約1.3％前後（2020年現在）となっておりますので、設定したメインとなる
診療圏内の居住人口＊1.3％＝推定手術患者数／年
となり
推定手術患者数―近隣の手術件数＝メイン診療圏内の浮遊手術予測件数
を導き出します。
上記計算式から算出し、先生の技量・狙いを共有しながら立地選定を進めていきます。
※国内の眼内レンズ出荷枚数は2018年165万枚　2019年181万枚　2020年162万枚、人口比率でいくと、2018年1.3％　2019年1.4％　2020年1.28％となっております。

以下、診療圏調査と開業後の患者数の比較　
【開業前　診療圏調査数値】

	人口（人）	地域患者数／日	競合数（眼科標榜）	見込み外来患者数／日
1次診療圏（1.0km圏）	26,512	72人	5	15人
2次診療圏（2.0km圏）	79,929	207人	4	25人
合計	106,441	279人	9	40人

立地は、大阪府下　住宅街に位置し、ドラッグストア隣接の医療モール２階
都市部近郊エリアであり、交通手段は車メインであるものの、周囲には競合医院も数多く存在するため診療圏設定を、１次診療圏を１km　２次診療圏を２km設定。
近隣に眼科施設は多いものの、直近１０年以内に開業したクリニックはなく、また白内障日帰り手術を実施しているクリニックは眼科を標榜する全クリニック９施設の内、０施設であり手術需要が見込まれるエリア。

【開業後の来院患者数】

	患者数（人／日）	月間白内障手術件数（件）
１年目	35	20
２年目	42	27
３年目	47	30
４年目	52	35
５年目	60	40

周囲に日帰り手術施設がなかったこともあり開業後５年後目標にしていた1日平均来院患者数・白内障手術件数を２年目にクリアすることができました。
診療圏調査では、単純に来院見込み数を把握するのではなく、競合医院の特徴・診療内容・診療圏内の人口動態をみながら、予測検証していくことが重要です。
また、大きな河川・幹線道路・傾斜等も人の流れを分断する要因となりますので注意が必要です。

リコーリースでは、オペ有眼科に特化した開業支援コンサルタントが専属で対応させていただきます。
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