内科は全診療所の約6割が標榜する、最も競争が激しい診療科です。だからこそ、開業前に「費用の全体像」「実際の収益推移」「地域特性に合ったレイアウト」を正確に把握することが、成功と失敗を分ける最重要ポイントになります
このページでは、リコーリースが実際に支援した開業事例のデータをもとに、内科クリニック開業の費用・設備・収益・資金調達まで詳しく解説していきます。
内科の開業費用の目安
内科クリニックの開業初期費用は、開業形態によって大きく異なります。リコーリース実例データをもとにした開業費用の標準モデルは以下の通りです。
テナント型 vs 郊外型・土地購入型 比較
| 比較項目 | テナント型(40坪) | 郊外型・土地購入(67坪) |
|---|---|---|
| 総事業費 | 8,800万円 | 1億8,000万円 |
| 内装工事費 | 3,200万円 | 7,400万円(建築費、外構工事費) |
| 医療機器 | 2,800万円 | 2,800万円 |
| 保証金・敷金 | 400万円 | - |
| 土地購入費 | - | 4,500万円 |
| 什器備品 | 300万円 | 400万円 |
| 開業準備金 | 600万円 | 900万円 |
| 運転資金 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 必要坪数 | テナント40坪〜 | 床延面積67坪(土地205坪) |
| 駐車場 | ビル共用またはなし | 10台確保可能 |
| 自由度・拡張性 | 低〜中 | 高い |
| 開業準備期間 | 半年〜1年 | 1年〜1年半 |
地方・郊外での開業を検討する場合、テナント型は初期投資を抑えながら素早く開業できるメリットがあります。一方、駐車場を確保しやすく患者が通いやすい郊外型は、競合が少ない地域では長期的な患者獲得に有利です。
一般的な内科の開業費用レンジは「コンパクト型:6,000万〜8,000万円」「スタンダード型:8,000万〜1億円」「設備充実型:1.2億円〜1.7億円」と3段階に整理されます。内視鏡システムを導入する消化器内科は設備費用が嵩むため、同じ「内科」でも上限レンジに近づきやすい点に注意が必要です。
リコーリース実例:開業後の収益推移(3ヶ月・1年・2年)
これはリコーリースが実際に支援した郊外型消化器内科モデルの収益データです。開業初月から黒字化し、2年後には月利益284万円を達成した実例です。
収益推移シミュレーション
| 経営指標 | 開業3ヶ月目 | 開業1年後 | 開業2年後 |
|---|---|---|---|
| 保険診療収入 | 430万円 | 650万円 | 800万円 |
| 1日あたり患者数 | 34人 | 48人 | 60人 |
| 内視鏡検査 | 月10人 | 月30人 | 月40人 |
| 人件費 | 85万円 (看護師2名・受付2名) |
135万円 (看護師3名・受付3名) |
140万円 (看護師3名・受付3名) |
| 薬・材料費 | 65万円 | 98万円 | 119万円 |
| その他(減価償却含む) | 180万円 | 217万円 | 257万円 |
| 月利益 (返済前・税引き前) |
100万円 | 200万円 | 284万円 |
この収益推移から読み取れる重要なポイントは以下の3点です。
- 3ヶ月目で月100万円の利益:郊外立地でも開業直後から黒字ラインを確保できる
- 1年後に患者数が約1.4倍:口コミ・かかりつけ化が進み、内視鏡検査件数も3倍に増加
- 2年後に月収284万円:年換算で約3,400万円の税引き前利益(返済前)。地方開業医の目標収益水準1,500〜2,200万円(年収ベース)の達成は十分現実的
地方・郊外の内科開業が有利な理由は、競合が少ないため患者の定着スピードが早い点にあります。都市部の駅前内科が開業1年で同等の患者数を確保するには、より積極的な集患施策が必要になります。
内科開業に必要な医療機器とコスト
内科開業の医療機器費用は、標準的に1,500〜2,000万円程度が目安です。ただし、消化器内科として内視鏡システムを導入する場合、機器費用が2,800万円前後まで上昇します。
内科系クリニックの主要医療機器と費用目安
| 医療機器 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 電子カルテ・レセコン | 200〜300万円 | 初期投資ゼロのクラウド型もあり |
| 一般レントゲン装置(X線) | 200〜250万円 | 内科・呼吸器科では必須 |
| CR/PACS装置 | 200〜250万円 | デジタルX線読影システム |
| 超音波画像診断装置 | 300〜400万円 | 循環器・消化器診断に必要 |
| 心電計 | 100〜150万円 | 循環器内科では特に重要 |
| 内視鏡システム一式 | 600〜700万円 | 洗浄機150〜200万円別途 |
| 内視鏡洗浄機 | 150〜200万円 | 消化器内科には必須 |
内視鏡システムについて補足すると、最新モデルで一式揃えると1,500〜2,000万円に達するケースもありますが、実例モデルでは既存機器の活用や機種選定の工夫で2,800万円の医療機器費用(内視鏡含む)に収めています。リースを活用することで、初期の現金支出を抑えながら最新機器を導入することが可能です。
糖尿病内科を標榜する場合はHbA1c測定装置(約500万円)が別途必要になるなど、サブ専門科の標榜によって機器費用は変動します。
内科のレイアウト実例集
ビルテナント型(専有面積30坪)
専有面積30坪のコンパクトなビルテナントでも、工夫次第で機能的な内科クリニックが実現できます。

設計のポイント
- 内視鏡室と処置室を別室で設置し、処置用ベッドを2台確保
- 患者動線とスタッフ動線を明確に分離し、感染対策・プライバシーを確保
- ビル形状の制約に対応したL字型・U字型の平面計画を採用
ビルテナントは形状の制限を受けるため、設計初期から医療設計の専門家を交えた動線計画が不可欠です。
一戸建て・郊外型(床延面積67坪、土地205坪)
郊外型の戸建て開業は、設計自由度が高く、駐車場10台以上の確保が可能です。

設計のポイント
- 待合室を広く取り、畳コーナー+床暖房でお年寄りがリラックスできる環境を整備
- 複数の診察室(2診体制)を設けることで将来の世代交代・非常勤医師追加に対応
- 院内薬局形式を採用し、患者が診察後に移動せず調剤を受けられる利便性を実現
- リカバリー室を内視鏡室と離した配置にすることで、患者の安静・回復スペースを確保
地方の郊外立地では駐車場確保が集患の最重要条件のひとつです。10台以上の駐車スペースがあれば、高齢者や自動車での来院患者を取り込みやすく、他院との差別化になります。
内科開業でよくある失敗と対策
失敗①:コンセプトが曖昧なまま開業
「一般内科」として開業しても、専門性のアピールがなければ患者は競合に流れます。地方・郊外では「消化器内科専門」「糖尿病内科・生活習慣病専門」など、地域ニーズに沿ったサブ専門性を明示することが集患に直結します。
対策:開業前に「自分がやりたい医療」と「地域の医療ニーズ」のマッチングを複数回検証する。診療圏調査で周辺の既存クリニックの標榜科を把握し、競合が手薄な専門領域を選ぶ。
失敗②:診療圏調査が不十分
「この駅の近くで開業したい」という感覚的な立地選定は、開業後の患者数不足という致命的な問題を招きます。特に地方では、一見患者が多そうに見えてもすでに強い競合院が地域を抑えているケースがあります。
対策:国勢調査・患者調査のデータをもとにした定量的な診療圏調査を実施。リコーリースでは診療圏調査ツールを無料で提供しており、「この地域に本当に患者がいるか」を開業前にご自身で好きなだけ何回でも数字で確認できます。
失敗③:運転資金の不足
開業直後は保険収入の入金まで2〜3ヶ月のタイムラグがあります。運転資金が不十分だと、スタッフ給与・家賃・リース料の支払いが困難になるリスクがあります。
対策:運転資金は最低でも6ヶ月分、理想は9〜12ヶ月分を確保しておくと良いでしょう。リコーリース実例のテナントモデルでも1,500万円の運転資金を計上しています。リコーリースではクリニック開業時の運転資金融資も行なっています。開業前に不安を抱えている方はぜひ一度ご相談ください。
失敗④:スタッフ採用・人件費の読み誤り
開業初期から看護師・受付を多く雇いすぎると、患者数が少ない段階で人件費が収益を圧迫します。リコーリース実例では「3ヶ月目:看護師2名・受付2名(人件費85万円)→1年後:看護師3名・受付3名(135万円)」と、患者数に連動して段階的にスタッフを増やしています。
対策:開業時は最小構成でスタート。収益が安定してきたタイミングでスタッフを増員するフレキシブルな人員計画を立てましょう。リコーリースではクリニックの受付省人化コンサルティングも展開しています。開業時から受付人数を少なく運営していきたい院長・法人様はぜひご相談ください。
資金調達方法(融資・リース・自己資金の組み合わせ)
内科クリニックの開業資金調達は、一つの手段に頼らず複数の調達手段を組み合わせることが鉄則です。
資金調達手段の比較
| 調達手段 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| 金融機関融資(日本政策金融公庫など) | 内装工事・土地建物 | 設備資金最大7,200万円、低固定金利 |
| 医療機器リース | 内視鏡・X線等の高額機器 | 初期費用ゼロ、月次均等払いで資金繰りが安定 |
| 自己資金 | 保証金・敷金、小額備品 | 総事業費の10〜20%が目安 |
| ドクターサポートローン | 開業前後の運転資金 | 開業医専用の柔軟な融資スキーム |
| メディカルアセットローン | 内視鏡等の特定医療機器 | 機器を担保にした資産ローン |
郊外型モデルの資金調達実例
リコーリースが支援した郊外型モデル(総事業費1億8,000万円)の調達構成は以下の通りです。
- 融資:1億3,900万円(運転資金2,000万円+土地4,500万円+建築7,400万円等)
- リース:2,800万円(医療機器)
- 自己資金:1,300万円(調達合計の約9%)
自己資金が少なくても、リースと融資の組み合わせで開業が実現できます。特に高額な内視鏡システムはリースの活用が効果的で、初期キャッシュアウトを抑えながら最新機器を導入できます。
リコーリースが内科開業医に選ばれる理由
リコーリースは、コンサルティング会社ではなく融資・リースを手がける金融機関です。この立場の違いが、開業支援の質に大きな差を生みます。
一般的な開業コンサルは、成功報酬や紹介手数料が発生する構造を持つため、特定の物件・医療機器・業者を勧めることに経済的インセンティブが生じる場合があります。一方、リコーリースは融資・リースによる収益が本業であるため、余分な手数料が発生せず、開業医の利益を最優先にした中立的な提案が可能です。
また、融資を行う立場だからこそ、リコーリースには数多くのクリニック開業・運営データが蓄積されています。「開業後3ヶ月・1年・2年で収益がどう推移したか」「どの立地・診療科で成功しやすいか」「どの段階で資金ショートリスクが高まるか」といった実際の経営データに基づいたアドバイスが可能なのは、融資実績を持つリコーリースならではの強みです。
リコーリースのドクターサポートが選ばれる主な理由
- 手数料ゼロの中立的サポート:コンサルフィーを取らないため、特定の業者・物件への誘導がなく、純粋に開業医のクリニック成功にフォーカスした提案ができる
- 融資実績から生まれたリアルな経営データ:多数のクリニック融資・リース実績から蓄積された収益・コストの実データをもとに、精度の高い収支計画を提示できる
- 資金調達からアフターフォローまでワンストップ:ドクターサポートローン・メディカルアセットローンなどの専用金融商品で、開業準備から開業後の資金繰り相談まで継続的に対応
- 診療圏調査ツールの無料提供:患者需要を開業前に数字で確認できるため、「開業したものの患者が来ない」というリスクを事前に排除できる
- 開業後の成功にコミットした姿勢:リコーリースは融資・リースの回収が利益になるため、クリニックが経営的に成功することが直接的な利益につながる。開業医と利益の方向性が一致しているのが最大の特徴
内科開業の流れ(スケジュール目安)
| 時期 | 主な準備事項 |
|---|---|
| 開業12〜18ヶ月前 | 開業コンセプト策定、診療圏調査、開業エリア絞り込み |
| 開業9〜12ヶ月前 | 物件選定・仮契約、資金計画策定、金融機関との融資相談 |
| 開業6〜9ヶ月前 | 内装設計・施工業者選定、医療機器選定・リース/購入検討 |
| 開業3〜6ヶ月前 | 内装工事着工、スタッフ採用、電子カルテ導入、開業届提出 |
| 開業1〜3ヶ月前 | 医療機器搬入・設置、広告・ウェブサイト公開、地域医師会・連携病院への挨拶 |
| 開業〜3ヶ月 | 収益安定化フェーズ。患者数を徐々に拡大し、スタッフ体制を調整 |
テナント型の内科では半年〜1年でコンサルを完了し開業に至るケースが多く、郊外型の土地購入・建築タイプは1年〜1年半の準備期間が必要です。
よくある質問
Q. 内科の開業費用はいくらから可能ですか?
テナント型のコンパクトな内科なら6,000万円〜からスタートできます。ただし内視鏡システムを含む消化器内科は医療機器費が高く、リコーリース実例のスタンダードテナント型では総事業費8,800万円が標準モデルです。
Q. 地方・郊外での内科開業は収益が出ますか?
競合が少ない地方・郊外では、開業3ヶ月目から黒字化できた実例があります。患者の定着が早く、かかりつけ医として地域に根付くことで、2年後には月284万円(年換算3,400万円)の返済前利益を実現したケースも報告されています。年収目標1,500〜2,200万円は地方内科開業の現実的な達成ラインです。
Q. 自己資金が少なくても開業できますか?
総事業費の10〜20%程度の自己資金があれば、残りは融資とリースで調達できます。郊外型モデルでは総事業費1億8,000万円に対し、自己資金1,300万円(約9%)で開業した事例があります。医療機器はリースを活用することで初期の現金支出を大幅に抑えられます。
Q. 開業前に診療圏調査は必須ですか?
必須です。感覚的な立地選定は、開業後の患者数不足という最大の失敗要因になります。リコーリースでは診療圏調査ツールを無料で提供しており、開業地の患者需要を数字で確認してから開業準備を進めることが可能です。